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ドイツにおいて 1996 年 11 月から 2003 年 12 月に実施された German Pediatric
Oncology Group (GPOH) NB97 研究では1歳以上で stage 4 の初発の神経芽腫患者
309 名が登録され、寛解導入療法後に 123I-MIBG 集積残存病変を認めた 111 名のう
ち 40 名に 131I-MIBG 治療が実施されており、後方視的な解析結果が論文報告されて
おります (Nuklearmedizin. 2006; 45: 145-151 文献(33))。
この試験は強化療法における MEC での ASCT と骨髄非破壊的な化学療法のランダム化試験でしたが、
主治医の裁量で 131I-MIBG 治療が実施されました。
その結果、MIBG 治療に関連した重度の有害事象は生じず、
MIBG 治療を受けた患者群では
3 年無病生存率 46±8%、
3 年全生存率 58±9%であり、
MIBG 治療を受けなかった患者群
(3年無病生存率 19±5%、
3 年全生存率 43±6%)よりも有意に良好でした。
しかし、ASCT (自家末梢血幹細胞移植のこと)を受けた患者群(66 名)に限り解析すると、
MIBG あり群は
3yr-EFS 49±9%、3yr-OS 59±10%、
MIBG なし群は
3yr-EFS 33±9%、3yr-OS 59±9%
と有意差を認めませんでした。著者らは MIBG 投与量が様々であったことや MIBG 治療実施の有無がランダム化されていなかったことが
この報告の問題点であるが、理論的には放射線内照射は外照射と同様に神経芽腫細
胞に有効であり次期プロトコールでも 131I-MIBG 治療は組み込まれると述べています。
大量化学療法との併用ではありませんが、オランダのグループにおいて初発の stage4
神経芽腫に対し寛解導入化学療法よりも前に 131I-MIBG 治療を固定用量で 2 コース
(7400MBq、5500Mbq)実施し、その後より寛解導入化学療法を開始するパイロット試
験が報告されています (Eur J Cancer. 2017; 76: 188-196 文献(34))。32 名の登録
患者のうち、5 名が MIBG 陰性神経芽腫、6 例が全身状態不良のため MIBG 治療は実
施されず、21 名が 131I-MIBG 先行治療を受けました。神経芽腫の診断後 2 週間以内に
131I-MIBG 治療が開始され、38%の症例で PR 以上の治療反応性を示しました。また、
131I-MIBG 治療後に幹細胞による骨髄救済は要さず、その後の寛解導入化学療法にも
支障がなかったと報告されています。著者らは全体の治療計画の中での最良の 131I-
MIBG 治療実施時期は未確立であるとして、将来の臨床試験において大量化学療法
(+ASCT)前の 131I-MIBG 治療を考慮していると述べています。
金沢大学附属病院におけるこれまでの先行臨床研究の実績としては、約 70 名の神
経芽腫患児に対し MIBG 治療を実施し、そのうち 8 名は初発症例でした。これら 8 名の
初発症例を後方視的に解析した結果を 2016 年度日本小児血液・がん学会学術集会
において報告しております(日本小児血液・がん学会雑誌 2016 年 53 巻 4 号 Page241
文献(36))
その結果、131I-MIBG による重篤な有害事象は認めず、8 例全例生存し、
8例中 7 例が無増悪生存しており、少数かつ短期間の観察(観察期間の中央値 2.9 年)
ではありますが良好な成績でした。
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次にがん治療の効果について上記の生存率以外に、以下のようなものがあります。治療方法により、効果の計り方にそれぞれ特徴があるようです。 | ||||||||||||||||||
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