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メロディ 暑い暑いと文句言えるシアワセよ。
メロディの感想
「夏の花は〜♪
向日葵だけじゃない〜♪」
放課後、教室に残らされて
課題をやっていた
すると、どこからかそんなメロディーが
聞こえてきて
私は自然と耳を傾けた
傾けると同時に
そのメロディーは止まってしまって
私は咄嗟に窓の外を見た
すると向かい側の
校舎の音楽室にギターを持っている
女の子がいた
手には鉛筆を持っていて
譜面台には五線譜のノートが置かれていた
どうやら曲を作ってるらしい
その子は
手をほっぺにあててうーんと
悩んでいる様子だった
バシッ
愛「いってぇ、、」
菅「先生がいないからってサボらないの！
早く終わらせて！」
愛「はいはい〜やりますよー」
友香に怒られたため
仕方なくシャーペンを持ち直して
課題に目を向ける
はぁ、、
ちらっと窓の外を見ると
その子も晴れない顔をしていた
がんばれ！私もがんばるから！
と勝手にそんなことを思い
課題を始める
ガラガラガラ
茜「あっ！菅井さんちょうどいい所に！
お願いしたい仕事があるんだけどいい？」
菅「いいですよ！まなかサボらないでね」
茜「さすが学級委員！」
愛「はいは〜い いってらっしゃ〜い」
ガラガラガラ
また教室に1人になった
愛「茜先生、怖くなかったら
ふつうにタイプなんだけどなぁ」
ガラガラガラ
茜「なんか言ったかな？」
愛「いや、今のはその、」
茜「テストの点数も悪かったし、1週間居残りね」
愛「えっ！そんなっ！！」
ガラガラガラバタンっ
茜先生は私の話も聞かずに
すたすたと行ってしまった、、
愛「うわぁぁぁ、もう！ほんと最悪！」
とやけになって髪の毛を
ぐしゃぐしゃにかくと
窓の外のあの子はクスクスと笑っていた
だから、私は
ムスッとして窓に近づき鍵を開けると
向こうも開けた
愛「笑い事じゃないんですけどー」
由「ごめんごめん笑 面白かったからつい」
愛「はぁ、これから1週間居残りだよ、」
由「ふふっ笑 お互いがん
ろ」
ろ」
愛「曲、できあがったら聞かせてよ」
由「いいよ
じゃあいい点とれたら見せてよ笑」
愛「りょーかい笑」
ガラガラガラ
茜「しーだーさーん？？」
愛「げっ、、」
茜「もう1週間延長。」
愛「まじかぁ、、」
窓の外を見るとまたクスクス笑っている
もー、とちょっと怒ったように見せると
ごめんねと言うかのように手を合わせた
それから、両手を握りしめて
拳を見せてきて、がんばろと
口パクされた
だから
おー！っと手を上にあげて返事をすると
また、笑っている
それから1週間、2週間と
時が過ぎていき
その子はすれ違うと
手を振ってくれるまでにもなった
理「だれー？」
愛「知り合い、かなぁ」
理「え、友達とかじゃなくて？」
愛「うーん、ちゃんと話したことないから」
理「そんな人に手なんて振るの？」
話したことあるのは
最初のあれだけで、
それからは先生とか
見張っていて目を合わせるぐらいしか
していなかった
今日は居残りもないし、
音楽室に行ってみようかな
ガラガラガラガラ
放課後になって音楽室を覗くと
そこにはやっぱり、あの子がいた
由「あ、そっか。今日はもう居残りないんだよね？笑」
愛「うん笑 嬉しいことに終わりました」
お互いに話したことは
あまりないはずなのに、
気まづくはなかった
それでどころか
どこか落ち着く感じがした
ギターのピックを手に持ち
すぅっとゆっくり息を吸った
由「あれから恋だってしたけど〜♪
他の彼なんか覚えてな〜い♪」
綺麗な透き通る声で
歌い始め
たその子の表情は
たその子の表情は
どこか寂しそうで
切ない顔をしていた
由「綺麗なのは〜♪向日葵だけじゃない〜♪
他にも目立たない花も咲いてたのに〜♪
あなたじゃなきゃダメだと思った〜♪
愛しさを思い出す〜♪
Sunflower〜♪」
目の前にいる子は
名前も知らない
知っているのは声と顔と
歌をいつも歌ってること。
なのに、私は分かってしまった
この子には想っている人がいて
この歌はその子に歌ってる歌だということを
由「私さ、、好きな子がいるんだよね
それで、その子と喧嘩しちゃって、、。
転校する前にこの歌を完成させたくてさ、ずっと考えててやっと出来たんだ」
どうかな？
そう不安そうに苦笑いして
聞いてくる彼女に
きゅっと胸が締め付けられた
愛「…気持ちは伝えないの？」
由「うん、もう会えないからさ」
愛「そっか、、すごくいい歌だと思うよ」
由「ありがとう」
キーンコーンカーンコーン
由「あ、」
愛「いつ転校するの？」
由「明日、にはもういないかな」
愛「…最後に名前」
由「ゆい、小林由衣」
愛「ゆい、ともっと仲良くなりたかったな」
由「そうだね、私も、、、、えっと、」
愛「まなか！」
由「私もまなかともっと話したかった」
愛「うん、ありがとう
また、どこかで会えたら話そうね」
由「そうだね、じゃあまたね」
愛「うん！また！」
ガラガラガラガラ
そう言って由依は
音楽室を出ていった
なぜか、胸がきゅーっと
締め付けられたまま元に戻らなくて
なんだか、泣きたい気分
そっか、私は由依を
好きになっちゃったんだ
そう思った時には
涙が頬をつたっていて止まらなくなっていた
由依はこれ以上に
切ない気持ちでいるのかな
せめて、由依の恋が実ってほしかった
私があなたに惹かれたのは
あなたが好きな人に捧げる歌を
聞いた時でした
いつかそう由依に
言える時がくるまで
それまでには、
好きという気持ちは思い出になってるだろう
fine
