「有識者」という革命について
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玉川学園の保護者と卒業生の方々が、2018年7月8日の佐藤馨一の失踪から長い期間ずっと心配して下さったことは元より、2020年4月18日の白骨化した遺体発見後も、温かい励ましのお言葉、お悔やみのお言葉を沢山頂戴していると、馨一の姉のKanakoから伝えられています。改めて心より御礼申し上げます。皆様、本当にありがとうございます。遺族一同、どれだけ元気づけられたか分かりません。感謝の気持ちで一杯です。
馨一は、玉川学園高等部時代、真面目で誠実なスポーツ好きの逞しい生徒でした。
そして玉川大学教育学部在籍中、進路や将来、先生になりたいことも相談してきました。馨一は、進路について全人教育を掲げる玉川学園の教師になることを強く希望していました。教師になるにはどうすれば良いのか、教育学研究の合間に教師への道を真剣に考えていました。そして念願であった玉川学園に採用されて、今日に至っていたのです。馨一は教師として、玉川学園で勤務できることを喜び、誇りをもって精一杯頑張ってきました。
玉川学園創立者の小原国芳先生の「玉川教師訓」には次のような言葉が書かれています。
「子供に慕われ、親達に敬われ、同僚に愛せられ、校長に信ぜられよ。」
玉川学園の全人教育を受けて来た馨一は、この教訓を基盤として、勤務に励んでいたと思います。多くの保護者の方の馨一に対する思いを、沢山伝え聞いて、国芳先生の教師訓は馨一の中で生きていたと思っています。生徒達には本当に慕われていたという話や卒業してもずっとお子様も保護者の方も馨一を忘れないでいる事を聞いて感動しています。
昨年7月、担任教師と保護者との間に起った解決し難い大きな問題が生じたとすれば、それを受け止めて、救いの手を差し伸べてくれる立場にあるのが教育部長だと思います。馨一の心の悲痛な思いを教育部長が、受け止めて救いの手を差し伸ばすことができなかったのでしょうか。
馨一としては、誠心誠意、精一杯職務を果たしてきたのに、それが全て絶望に変わってしまったのです。最後に、話をした保護者の方と相談に乗っていた教育部長と馨一との間で、どんな話が交わされたのか、それは当事者にしか分かりません。
玉川学園側からは、遺体が発見され一ヶ月も過ぎているのに、真相を解明するという話も未だに一切ありません。馨一が行方不明当時に、教育部長とも面談をさせて頂きましたが、当の教育部長から未だにお悔やみの言葉さえ一切、届いておりません。馨一の事を「私たちの大切な仲間ですから」と仰った言葉は何だったのでしょうか。私達遺族は、馨一の死を突然、突き付けられたのです。まだまだ前途ある馨一の人生はあまりにも早い幕切れでした。愛する妻と二人の息子がいるのに、さぞかし残念な思いだったでしょう。
私たちは、馨一の失踪当初から藁をも掴む気持ちで全国を捜索した事は、前にもお伝えしましたが、何故、突然失踪してしまったのか、馨一と最後に面談した教育部長と学年主任とペアを組んでいた外国籍の先生に真相をお聴きしたかったので、学園にも行きお聞きしました。しかし私達を納得させてくれる回答は得られませんでした。
玉川学園の弁護士は、馨一が何も言わずに突然失踪しているので、「無断欠勤及び長期欠勤は、懲戒免職に相当します。」という対応でした。しかし、昨年7月7日の帰り道、馨一は生きる事に絶望して翌日、自らの命を絶っていたのです。このような状況下で、馨一は欠勤届を出せたでしょうか。
玉川学園の弁護士は、学園を含めて、働いている教職員を護るために働いていると思っていましたが、馨一のために何を弁護してくれたのでしょうか。馨一が、何故失踪しなければならなかったのか、失踪の真相も解明しないまま、安否も不明のまま、馨一は12月に退職となりました。
玉川学園の先生方の中に、指導のあり方が保護者に理解してもらえない・部長が信じてくれないなど、解決し難い問題を抱えて一人で悩み、馨一と同じような苦しみを背負っている先生がおられるかも知れません。馨一の死を無駄にしないためにも、何か問題にぶつかったとき、仲間同士で相談して、一人で抱え込まずに悩み苦しみを共有して、勇気を持って、主張すべきはきちんと主張する事が大切だと思います。堂々と意見が言い合える上下関係を今後の玉川学園のために構築して欲しいです。
保護者の方々におかれましては、馨一の理不尽な突然の死は、ショックだったと思います。何故、死んでしまったのか疑問を抱かれている方も多いと思います。馨一が突然消えてしまい寂しがっているお子さん、心配しているお子さんも大勢いるようです。
でもご自分のお子様を預けている学園に、保護者の方が一人一人ではこの疑問を学園に聞きにくいのも現実だと思います。馨一の件で、父母会が開催された場合、学園側が、馨一の失踪の事実、自殺した事実と合わせて何故自殺をしなければならなかったのか、説明責任をきちんと果たしてくれることを私達遺族は熱望しています。そして保護者の皆様方にとっても、学園側から納得のいく説明が聞かれることを期待しています。
私達遺族は、有識者の知識を借りるなどして、馨一の人権と名誉を護るために、失踪当初からずっと日々精一杯の努力を続けています。遺体発見から早1カ月が過ぎました。馨一の自殺の一大事件が、闇に葬られる事になっては、馨一の死は報われません。過労による社員の自殺や、いじめによる生徒の自殺など、世には悲惨なニュースが多々あります。当事者たちは、懸命に真相の解明に尽力しています。玉川学園が説明責任を果たさない場合は、皆様で声を合わせて、馨一のために叫んでください。
何故馨一が自殺しなければならなかったのか。
神様は真相の全てをご存知です。全人教育を大切にしている玉川学園は礼拝を、聖書を大切にしているはずです。その玉川学園の教育信条に背くことのない学園の対応を私達は切に祈ります。
馨一の失踪当初から無事を祈り続けて下さった皆様、遺体が発見された後、ずっと冥福を祈り続けて下さっている皆様、お悔やみ、温かい励ましのお言葉を下さ
た皆様に改めて心より感謝しています。佐藤馨一のような教師が玉川学園にいた事を忘れないでください。
心の隅にいつまでも残しておいてください。そして冥福を祈っていて下されば、馨一は、今までの辛かった事、苦しかった事から解放されて、きっと天国で安らかに眠ってくれると思います。皆様、本当にありがとうございます。
元玉川学園高等部教諭
植村謙二
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Twitterのフォロワー様に教えて頂いた記事なのですが、
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つい10日くらい前にこんな記事がアップされて話題になっていたそうです。
今日はこちらの内容について簡単ですが僕なりの見解をお話しておきたいと思います。
◎日焼け止めの化学物質が皮膚から血中に…!?
現在の皮膚医学においては美容と健康をそれなりに意識する場合、
長時間の紫外線に晒される環境では「日焼け止め」は絶対に塗るべきであるという風に考えられています。
なので僕もそうですし、世間一般的には多くの皮膚科医師や美容系有識者は「日焼け止めは必要」というスタンスにあります。
ただ今回のこちらの記事、
タイトルをさっと見る感じ非常に雲行きが怪しい雰囲気を醸し出していますね…(苦笑)
今日はこの話を色々考察するんですが、
まずは是非上記記事に目を通してみて頂きたいです!
ただ、極力全文お読み頂きたいですが、
面倒くさいという方に向けてかずのすけが特別に軽~く要約すると…
- FDA(アメリカ食品医薬品局)が発表した試験結果によると、日焼け止めに配合されている「紫外線防止剤(紫外線吸収剤)」が塗布等により体内に取り込まれ血中に流れこんでいることが明らかに。
- 試験を行ったのは「アボベンゾン」、「オキシベンゾン」、「オクトクリレン」、「テレフタリリデンジカンフルスルホン酸」の4種類で、被験者24名全員から、いずれの成分も血中よりFDAの定める閾値を超える濃度で検出された。
- 血中から検出はされたものの、いずれの成分においても現段階では重大な悪影響は認められていないが、長期的な安全性も不確かであると懸念を述べる医師も。
- 体内に取り込まれないことが明らかなのは全16種の紫外線防止剤の中で「二酸化チタン(酸化チタン)」と「酸化亜鉛」のみであった。
- 今後より精細な試験と安全性データの蓄積が求められる。
というような感じですね。
実はこのWIREDっていう情報サイトは、ライターさんの質によっては非常に良くない記事になっていたり、
良質な内容になっていたりとピンキリがあるサイトなのですが、
まぁ今回の内容はタイトルこそちょっと作為的なものを感じますが比較的悪質というほどのものではないかなと思いました。
それなりに元の論文内容を反映できているのではないかと思います。
つまり、書いてあること自体にウソがあるわけではなく、
実際に日焼け止め中の化学物質(紫外線防止剤)が血中に取り込まれていることが明らかになったよ
という内容になっていますね。
ただ、実はこの記事は、
今回の論文の「真の意味」に気づけていないというか…。
見落としているポイントがあるんですよね。
本当はそこをピックアップするべきではないかと僕は思いました。
◎日焼け止め成分が血中に取り込まれることは何も新しい知見ではない
そもそもなのですが、
「日焼け止めの成分が皮膚を通過して血中に取り込まれること」
これ自体は実は何も新しい知見ではなく、
これまでも幾度となく様々な研究チームが発表してきたことなんです。
特に今回はアメリカの研究チームだったことが注目された要因の一つなのかなと思うのですが、
ヨーロッパ方面では昔から紫外線防止剤…特に「紫外線吸収剤」の経皮暴露についてはかなり研究されていました。
それでいくつかの論文でも確かに紫外線吸収剤には経皮暴露があると言われていて、
僕もそれについては
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こちらの記事などでかなり昔にすでに自説を述べています。
こちらで紹介している論文では最も有名な「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」という吸収剤を計測しているのですが、
通常時使用であれば無影響レベルの吸収量であったものの
特にレジャー等で紫外線吸収剤の濃度の高い日焼け止めを長時間塗る場合は結構な経皮吸収があるようで、
それを長年継続的に使用した時の安全性については現状確実とは言えません。
ただし、紫外線に直で当たるとそれだけで老化や発がん、様々な健康リスクが生じるため、
全く日焼け止めを塗らないという選択をするべきではないと考えてます。
なので基本的には経皮暴露が起こらない吸収剤フリーのものを日常使いして、
どうしても長時間強い日光に当たる時に限定的に吸収剤入りの強力なのものを使う
という方法を僕は推奨しています。
まぁこれが僕なりの紫外線吸収剤への考え方です。
確かに成分的には不安要素が微妙に残るのは確かなのですが
健康リスクがあるかないか分からないものと、健康リスクが確実な紫外線を天秤にかけた場合
紫外線を直浴びするよりは大分マシでしょうという話に落ち着くと思っています(^_^;)
ただ、今回発表された論文は実はとても目新しい知見があり、
正直吸収されるかされないかなんてどうでも良いような内容だと僕は思いました。
その新しい知見とは何か?というと
・今回試験されたのが「アボベンゾン」、「オキシベンゾン」、「オクトクリレン」、「テレフタリリデンジカンフルスルホン酸」という4つの成分であったということ。
・上記全ての成分がFDAが定める無影響レベル(閾値)を超える検出量であったということ。
この二つなんです。
これには実はとても大きな意味があります。
◎「サンゴ礁問題」との関係ありか?4つの吸収剤の特徴
今回試験された紫外線吸収剤が
「アボベンゾン」、「オキシベンゾン」、「オクトクリレン」、「テレフタリリデンジカンフルスルホン酸」
という4つの成分であったということは、凄く意味深なんですよね。
というのは、
まず現在日本でもアメリカでも最も日焼け止めへの配合頻度の多い成分は
先ほど名前を挙げた『メトキシケイヒ酸エチルヘキシル』という成分なのです。
なぜ、今回の研究ではこの最も使用頻度の高い成分を試料に選ばなかったのか?
かなり不思議に思います。
普通ならばこの成分を真っ先に試料に選出してもおかしくないはず…。
と、思うのですが
これは恐らく昨年に話題となった『サンゴ礁問題』が関係している気がします。
サンゴ礁問題とは何かというと、
▶
こっちでこんな記事も書いているのですが、
実は先述した「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(別名:オクチノキサート)」が、
サンゴ礁に悪影響を及ぼす懸念があるとして使用禁止になるという話があったのですね。
あと加えて「オキシベンゾン」も禁止成分の一つなのですが、
その結果色々ありまして上記のメトキシケイヒ酸エチルヘキシルやオキシベンゾンを使わない日焼け止めを作ろうとする動きがあるのです。
それで、これが実は去年海外在住のフォロワー様より頂いた、
現地で販売されている「サンゴ礁にも優しい」という名目で販売されているサンスクリーンの成分表です。
成分のところを見ると、
1番上のところなのですが
「Avobenzone(アボベンゾン)-3%」「Octocrylene(オクトクリレン)-8%」…
などなど、
先ほど試験されていた4つの成分のうちの2つが結構な濃度で配合されているんです。
つまり、
メトキシケイヒ酸エチルヘキシルを避けて作られる日焼け止めが今後増えていくと考えられるのですが、
これを避けると十分な紫外線防止効果を出すのにアボベンゾンとかオクトクリレンなんていう成分を高濃度で配合していく必要が出てきます。
だからメトキシケイヒ酸エチルヘキシルは除外して、
他の成分を調べたということなのかな?という気がします。
(というかメトキシケイヒ酸エチルヘキシルはもう散々研究されていてほとんどの場合無影響レベルの暴露しかないことが明らかなのでやる必要が無かったということかもしれませんが)
で、結果としては
メトキシケイヒ酸エチルヘキシルの代替成分として使われ始めたアボベンゾンもオクトクリレンも、
FDAの定める無影響レベル以上の吸収があることが明らかになった、と。
これ、凄い意味のある研究結果だと思いませんか?f(^_^;)
(メトキシケイヒ酸エチルヘキシルは高濃度品を長時間塗布しなければ無影響レベル以下の吸収しか起こらないことが予め分かっています。)
◎4つの吸収剤の日本での使用状況について
ちなみに、これらの吸収剤成分は、日本ではあまり利用頻度の多い成分ではありません。
何度も登場している「日本でよく使われる代表的な紫外線防止剤の表」をこちらに掲載します。
基本的に最も人気な吸収剤は「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」です。
なんだかんだこれが1番安全性が高いからですね(^^;)
「オクトクリレン」は特定の医薬品成分と反応して日光過敏症を起こす可能性が示唆されているなどの理由からか日本ではまず用いられているのを見たことがありません。
ただ、頻度や配合量は少
ないものの、
・オキシベンゾン(オキシベンゾン-3)
・アボベンゾン(日本の表示名『t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン』)
・テレフタリリデンジカンフルスルホン酸
の三つは配合されているのを見かけます。
オキシベンゾンは昔からあまり良くない成分として知られているのでほぼ見かけませんが、
後者二つについては、
最近よくある「ディープUVA」とか「ロングUVA」などの対応日焼け止めにかなり配合されています。
(以下の記事にも書いたのですが、ロングUVA対応の吸収剤は成分の構造がかなり特殊になるので、今回のこと結果にはかなり納得できますね…。▶)
特に「テレフタリリデンジカンフルスルホン酸」はロレアル系列(例えばラロッシュポゼシリーズなど)の日焼け止めに頻出ですね。
元々ロレアルがロングUVAに対応する成分として開発した比較的新しい成分です。
いずれも紫外線吸収剤としてはとても優秀な成分なので絶対避けろというつもりはないのですが、
やはり何も考えずに毎日使うというのにはいささか問題があるのかもしれませんね。
今後研究が進んで「全く問題ない」と言われる可能性も十分ありますが、
現状では極力普段使い用は経皮暴露の少ない成分のものを選びたいですね。
ただ今後この成分の安全性が不十分という結果になれば、
アメリカでは上記成分が配合されている製品自体販売禁止になる可能性もあるとのことです。
(各メーカーには研究結果を今年の11月までに提出しろというかなり厳しい要求をしているのだそう;)
◎いずれにせよ「紫外線吸収剤フリー」であれば何の問題もない
まぁこれも結局サンゴ礁問題と同じ結論に落ち着くのですが、
『紫外線吸収剤フリー』…つまり『紫外線散乱剤のみの日焼け止め』であれば
今回のような経皮吸収という側面から見ると全く問題ないという結論です(^_^;)
ちょっと前に
▶
こういう記事も書いていて、
散乱剤のみの日焼け止めってやはり扱いがちょっと難しい側面があります。
そういう意味で吸収剤のものを求められる方も多いのですが
一応今回のような化学物質の体内暴露や健康リスク上の話になると
やはり酸化チタンと酸化亜鉛は現状最も安全な成分という評価ができそうです。
ちなみにアメリカで使われてる日焼け止め成分16種類のうち、
今のところ再審査で安全性と効果が十分と確認されてるのはこの二つだけなんですって。(苦笑)
11月には研究データが各メーカーから提出されて、
その後最終審査があるので、この話題の結論が出るのは多分来年以降になるでしょう。
幸いうちのブランドで作っているのは吸収剤フリーの製品なので直接関係はありませんが、
日焼け止め業界にはかなり大きな影響がありそうです。
今後の続報が気になりますね。
※追記※
こういう話が一般に出てくるとすぐに「経皮毒!」とか言い始める人がいるのですが、そもそも経皮吸収と経皮毒は別物です。経皮毒は「吸収された成分が体内に蓄積されて重大な疾病を誘因する」という俗説ですが、現在化粧品に配合が許される成分は体内蓄積が起こらない、毒にならないものだけです。
「吸収されて血中に取り込まれた」というだけで経皮毒と安直に結びつけないことです。血中に取り込まれたとしても毒にならないものは沢山あります。経皮吸収=経皮毒、ではありません。経皮毒自体は全くのデタラメと言い切っても過言では無いので、その辺りに誤解が無いよう注意して欲しいです。
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