私はビアサーバーで人生が変わりました

ごめんなさい、不謹慎とは思いつつ

思わず吹き出して写真を撮ってしまいました。

母が「左耳が聞こえにくい」

と言うので行った

お世話になっている某病院の

B1聴力検査室前にある

椅子に座ったら目に入る

避難口誘導看板。

すごくHappyな人が

デザインしたのかも…

　ドラマの企画は、比較的早い段階で引導を渡されてきた。ドラマ制作で念頭に置くのは、テーマ、アイデア、キャスティング、放送枠。通ってからは膨大な作業が待ち受けているが、企画書自体はひらめきと思い入れで書ける。

　しかし、ドキュメンタリーはそうは行かない。企画書一つ書くにも、「取材」が要る。地道な下調べを重ね、練りに練って「そろそろ行けるかな！？」という段階でやっぱり”ボツ”……そんなケースに泣かされてきた。

　敗戦から五十年の年（もう二十年以上も前になった。ここ数年、どの放送局も「終戦企画」に力を入れなくなった。戦犯の孫である首相に忖度しているのではないと信じたい）、私はミャンマー（昔のビルマ）を舞台にした番組を企画した。

　反戦文学の名作「ビルマの竪琴」を二度も映画化した市川崑監督（2008年死去）がリポーター。僧侶となった水島上等兵の足跡をたどりながら、ミャンマー国内に残る戦争の傷痕を見つめる紀行ドキュメントである。

　ちょうどその頃ミャンマー政府は、厳しく制限してきた外国メディアの受け入れに柔軟な姿勢を見せ始めていた。当局によって軟禁されていた民主化運動の指導者、アウンサンスーチー女史（現在、国家顧問）への取材も視野に入れ、準備を進めていた。

　しかし、営業サイドは「企画が暗いので売れない」の一点張り。「明るい終戦企画などあるか！？」という私の叫びは、会議室の薄汚れた壁に吸い込まれていった……。

　企画がつぶれた翌週、アウンサンスーチー女史の軟禁が解かれたことを、テレビのニュースが伝えていた。

　戦後５０年の節目の年に、どうしても記念番組を実現したかった私は、萎えていく心と体にムチをふるって、次の企画を立てた。「植木等のスーダラ北帰行」である。