女を口説く どうして大人は空を飛べないの?
営業のMさんという20代の女性が
このブログのことを知り、
僕にこんな言葉をかけてくれました。
「大橋さんならいつでも結婚できますよ」
それを聞いて僕は
「いやいや、そんなことないよ」
と謙遜しながら、
頭の中では
「だよね!! あえて結婚してないだけだから、相手を見つけて、あとは決断するだけ!!」
なんてことを思っておりました。
そんなメンタリティの僕は行動に移すべく
まず「どんな婚活するか?」を考えました。
やはり婚活といえば
婚活サイトとか
婚活パーティーが思いつきます。
でも、結婚相手とは、やっぱり自然に出会いたいじゃないですか!
そこで、いつも髪を切ってもらってる美容師さんに
婚活していること、自然な出会いを求めていることを話すと、
こんなこと言いました。
「大橋さん、それなら絶対『東京おでんラブストーリー』ですよ」
東京おでんラブストーリー……
なんでしょうこの魅力的な響きは!?
普通こういうときのネーミングは
「おでん」となにかをかけたりするのですが、
30年前のドラマ「東京ラブストーリー」の
「東京」と「ラブストーリー」の間に「おでん」を挟んだだけです。
ある意味とても新鮮です。
美容師さんの話によると、
東京おでんラブストーリーというところは
おでんを食べながら、自然に女性と出会えるらしいのです。
夢が広がります。
さて、美容師さんの言葉と営業のMさんを鵜呑みにして
僕は友人のJ君と
「結婚しようと思えばいつでも結婚できる男だからね」と
余裕しゃくしゃくでいきました。
どんなシステムかというと
入った瞬間に「ここに座ってください」と席を決められるんですね
おでんを囲んで男女が交互に座るので
自然と女性と会話をはずむシステムということになっています。
僕にはこういった出会いの場に自信がありました。
なぜなら、僕は20代の頃、西麻布にあったエーライフとか行ってたましたからね。
しょせん「おでん」でしょう。
おれはクラブだよ。クラブ。ちくわぶじゃないよ。クラブだよ
テキーラとか飲みながら
なに言ってるかわからない洋楽を聞きながら
うぇぃうぇい言ってましたからね。
それに比べたら
おでんなんて余裕でしょう。
セブンイレブンでおでんの容器から
きんちゃく餅の、揚げを破らずにトングで持ち上げるくらい余裕っしょ。
しばらくして、
僕の座った席の、おでんを囲んで右側に
女性二人が座わりました。
いまどきのオシャレ女子です。
お酒を注文し、
「はんぺんうまそうだな、」なんてことを、J君に言いながら、
おでんを口にします。
もちろん意識は隣に座っている
女性たちに向かって、
話しかけるタイミングを狙っております。
そして意を決して
「よく来るんですか?」的なことを話しかけました。
、
「いえ、はじめてなんです」という答えが
それから年齢の話になり
「おいくつですか?」
と聞かれ、
僕「41です」
女性「え・・・」
僕「ちなみにおいくつなんですか?」
女性「25です」
やべぇ、若けぇ、16も歳下じゃないか・・・、
しかも、話を聞くと仕事はショップ店員さんです。
いまどきの白シャツをこなれた感じで着こなしています。
そしてなんといっても、
長らくこういう状況から遠ざかっていたから
会話が続きません。
俺肝心なことを忘れてた。。
そういえば俺コミュ障だったんだ。。。
それから沈黙が続き
僕はひたすら、おでんをつつきながら
相手は若者だぞ。
しかもおしゃれだぞ。
それに比べておれは41だぞ。
何を話せばいいんだ。
何を話せばいいんだ。
ああ、間がもたん!
なんとかしなければ・・・
そして、追い詰められた僕がやっと口から出した言葉が
僕「テラスハウスって超面白いよね~」
女性「ああ、はあ…」
そのあとも、久しぶりに盛り場に出た僕は
会話が続きません。
しかしです。
こんなこともあろうかと
僕は用意してましたよ。
「サバイバルウェディング」でいうフリスク的な
会話が途切れたときの秘密兵器を
それはこれです。
ちょうど5月になったばかりだったので
用意していた小ネタ
「新しい年号は令和です」
をドヤ顔で言い放ちました。
結果はもちろん・・・
完全にスベりました。。。。
こころなしか
おでんを入れた容器がさららに
茶色くなってきた気がします。
そして、とうとう完全に会話がなくなり
手持ち無沙汰と
「この場をなんとかしなければ」という、圧力が
箸にかかり、食べようと思った
巾着モチがやぶれ、
僕の心も引き裂かれました。
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――俺はもう、手遅れなんじゃないか。
だってさ、俺40だもん。
中年だもん。
江戸時代だったら初老だもん。
吉田松陰が死んだの30だもん。
中二の娘がいてもおかしくないもん。
いま思えば営業のMさんが言っていた
「大橋さんならいつでも結婚できますよ」も
正確に書くなら
「大橋さんならいつでも結婚できますよ」(棒)
でした。。。
なんかもうがんばって女を口説く的なものがんばれないんですわ。
なんか面倒なんですよ。
だってもう41ですもん。
サッカーで言えば、同じ年の「宮本」も「中澤」も「三都主」も引退しましたもん。
野球の中日福留しか残ってないですもん。
おでんの汁に41歳の僕の疲れた顔が映ります。
30代でちゃんとした会社員だったとき、
アニベルセルで結婚式をあげてる同期に
「ベタな結婚式あげやがって」と斜に構えてないで、
自分も触発されて
もっとがんばって結婚してればよかった。
いま思えばめちゃうらやましいわ。
タラレバ娘を読んで笑ってる場合じゃなかったわ。
(東村先生、今度「タラレバ男」を描いてください)
こうして、いつでも結婚できると思っていた
「あえて結婚しない男子(AK男子)」は現実を突きつけられたのでした。
※この店のおでんはおいしかったです。
つづく。
魁! 女を口説く塾
の続きです。
渡部さん、お世辞かもしれませんが、「なんでこんなかわいい人が自分と会ってくれたんだろう。」とか「自分はだまされてるんじゃないか。」なんて言ってました。
こちらからしたら、私なんかより渡部さんの方が断然きれいな顔なのになんでそんなことを言うのだろう…と不思議でした。
女性を口説くのがうまくてお世辞を言うタイプの人には見えなかったし、まぁ本心だったらそれはうれしい限りですが。
そんなこんなで、初回のデートは無事終了。お会計は渡部さんのほうが多めに払ってくれました。渡部さんは、私と同じ年だったので、まぁこのくらいの払い方がちょうどよいかな…さすがに男だからって同級生に全額奢ってもらうのは気がひけます。
この時点で私のほうは次も会いたい気持ちでいっぱいでしたが、問題は渡部さんの反応。
渡部さんは基本的におとなしい性格であまり感情も読み取ることができなかったので、私のことを褒めておきながら、もしかしたらお断りしてくる可能性もあるかも?と思っていたのです。
でも、それは取り越し苦労でした。
翌日には、渡部さんのほうから「昨日はありがとうございました。また食事にでも行きましょう。」と連絡があったのです。
さゆりの。
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